LuneScript のセルフホストのマルチスレッド化 (トランスコンパイル時間を 1412 パーセント改善)

LuneScript の高速化のため、マルチスレッド化を行ないました。 今回は、LuneScript のどこをマルチスレッド化したのか、 マルチスレッド化で何故高速化できるのかを説明します。 ビルド時間 今回の時間短縮は以下の通りです。 lua VM 版 go ビルド版 lua/go 改善前 5/6 (6e5661a9) 25.69 sec 5.84 sec 440% 改善後 5/25 (364095ef) 17.42 sec 2.22 sec 785% 改善後2 6/7(52df422b) 17.57 sec 1.82 sec 965% 改善率(改善前/改善後2) 146% 329% この表は、セルフホスティングしているソースのトランスコンパイル時間の計測結果を 示してい

LuneScript のこれからの予定

今月上旬に TypeScriptToLua の存在を知ったことで、 「Lua のトランスコンパイラ」という LuneScript の主な 存在意義 がほとんど消えてしまいました。 それによって LuneScript 開発に対するモチベーションが一気に下りましたが、 よくよく考えてみれば、今迄も自分以外の誰かが使っていた訳でもないし、 独自言語開発は元々自分がやりたかったこと でもあるので、 TypeScriptToLua があろうとなかろうと 今迄と然程違いはないんじゃないか、 という結論になりました。 そんな訳で、Lune

LuneScript のトランスコンパイル時間を 1157 パーセント改善した件

前回から引き続き LuneScript のトランスコンパイル時間短縮を行なっています。 今回の時間短縮は以下の通りです。 lua go lua/go 改善前(6e5661a9) 25.69 sec 5.84 sec 440% 改善後(364095ef) 17.42 sec 2.22 sec 785% 改善率(改善前/改善後) 147% 263% この表は、セルフホスティングしているソースのトランスコンパイル時間の計測結果を 示しています。 lua VM で動作させた lnsc と、go でビルドした lnsc で計測しています。 改善前の 6e5661a9 は、5/6 のバージョンです。 改善後の 364095ef

LuneScript のスレッドにおける mutable 制御

LuneScript は golang へのトランスコンパイルをサポートしている。 golang 対応の付加機能として、LuneScript には限定的な非同期処理を提供している。 今回は、この「限定」を緩和する方法を検討する。 非同期処理を「限定」する理由 非同期処理を限定する主な理由は、非同期処理を安全に実行するためだ。 では、非同期処理のなにが危険なのかといえば、データアクセスの競合だ。 Rust では、データアクセスの競合が発生しないように、 言語の syntax で論理

Go の関数パフォーマンス

LuneScript は golang へのトランスコンパイルをサポートしている。 golang 対応の付加機能として、LuneScript には限定的なスレッド機能を提供している。 「限定的」の大きな理由の一つとして、 golang 向け LuneScript ランタイムのマルチスレッド対応問題がある。 golang 向け LuneScript ランタイム golang 向け LuneScript ランタイムは、幾つか機能を持っている。 その機能の中には、次のものを含む。 and or 演算子の処理を実現するためのスタック。 lua ランタイム制御。 LuneScript は元々 Lua 向けのトランス