AMD AM5 マザーボードへの Windows 11 のクリーンインストール時に m.2 NVMe SSD が認識しない

Page content

数年ぶりに新しい PC を組んだので OS (Win11) をクリーンインストールした。

今回組んだのは AMD の AM5 で、 OS を入れるストレージには M.2 NVMe SSD を使用。

ここで、Windows 11 をクリーンインストールする際に、 どのドライブに OS をインストールするか指定する画面が表示されるが、 期待していた M.2 NVMe SSD が表示されなかった。

代わりに 「ドライバーが見つかりませんでした。 [ドライバーの読み込み] をクリックしてください」 といった趣旨のメッセージ (※正確な文言は失念したが、要はドライバーがないという表示) が画面に表示された。

どうやら Windows 11 の標準インストールメディアに収録されているドライバだけでは、 この AM5 環境の M.2 NVMe SSD にアクセスできないらしい。

今回は、このケースの具体的な対応方法について書く。

なお、結論を先に書くと次になる。

  • 必要なのは AM5 用の SMBus Driver である。
  • Driver は AMD の公式サイトからチップセットドライバーとしてダウンロードできる。
  • ダウンロードした実行ファイル (.exe) から目的の SMBus Driver 本体を取り出すには、 別途、正常に動作している AMD CPU 搭載の Windows PC が必要になる

対応方法

ネットで同様の症状を検索してみると、 Intel 向けの ストレージコントローラードライバー (Intel VMD Technology など) に 関する話題はヒットするものの、 AMD AM5 向けの情報は、なぜかほとんど見当たらなかった。

仕方がないので、自力で解決策を探った。その手順は以下の通りだ。

  • まず、以下の URL から AMD のドライバーダウンロードページにアクセスする。

  • 使用しているマザーボードのチップセット (例: X670E, B650 など) を選択し、 対応する AMD Chipset Drivers をダウンロードする。
  • ダウンロードしたプログラム (exeファイル) を、 AMD CPU が搭載されている Windows PC 上で実行する。
  • ここが重要で、Intel CPU の PC など、AMD CPU ではない PC で実行すると、 次のステップで必要なドライバが展開されないことがある。
  • プログラムを実行すると、通常は C:\AMD のようなフォルダが作成され、 この中に各種ドライバが展開される。
  • C:\AMD の中から、以下の 2つのファイルを含むディレクトリ を探し出す。

    • SMBUSamd.inf
    • SMBUSamd.cat
  • ディレクトリは AMD_Chipset_Software\Packages\IODriver§MBus\WTx64 のような 階層になっていることが多いが、バージョンによって異なる可能性があるので、 上記ファイル名で検索するのが確実。
  • 上記のファイル (SMBUSamd.inf, SMBUSamd.cat) が含まれるディレクトリごとを、 USBメモリなどのリムーバブルメディアにコピーする。
  • Windows 11 のクリーンインストール画面で、「ドライバーが見つかりませんでした」の メッセージが表示されている状態で、 「ドライバーの読み込み」 (または同様の) ボタンを押す。
  • ドライバーの場所を指定するダイアログが表示されるので、 先ほどリムーバブルメディアにコピーした、 SMBUSamd.infSMBUSamd.cat が 含まれているディレクトリを選択する。
  • なお、指定されたディレクトリからドライバを探しにいくが、 サブレディレクトリまで探しにいってくれないので、 必ず SMBUS_driver フォルダ (infファイルがある階層) を直接指定する必要がある。
  • 正しくディレクトリを指定すると、 ドライバーの一覧に「AMD SMBus Driver」 (またはそれに類する名前) が表示されるので、 これを選択してインストールする。

以上で、M.2 NVMe SSD が認識され、Windows 11 をクリーンインストールできるようになるはずだ。

まとめ

上記の通り、この対策には、 「正常に動作している AMD CPU 搭載の Windows PC が必要である」という、 少々厄介な前提条件がある。

もしもそのような PC が手元に無い場合は、以下の代替手段が考えられる。

  • 一旦、SATA 接続の HDD や SSD (これらは通常、標準ドライバで認識される) に Windows 11 を最小構成でインストールする。
  • その Windows 環境上で上記の手順を実行し、SMBus ドライバを取り出す。
  • 取り出したドライバを USB メモリなどにコピーし、 改めて M.2 NVMe SSD に Windows 11 をクリーンインストールする際に、 そのドライバを読み込ませる。

以上。